last updated : 2023-06-25
人気アニメの「ハイキュー!!」。ストーリーは今更でしょうが、かつて宮城県の強豪高校として春高バレー全国大会にも出場していた烏野高校。監督が去ってからは凋落して「落ちた強豪、飛べないカラス」と揶揄されていました。そんな烏野高校に影山飛雄、日向翔陽、月島圭、山口忠らの個性的な1年生達が入学してきた。熱心な監督の武田一鉄先生や全国大会へ行った時の監督の孫がコーチtになって、チームが強くなる環境が整いました。烏野高校は全国大会を目指して再び強くなっていくのです。
敵と味方としてバレーを通してつながる登場人物たちのそれぞれの青春が心に響くバレーボール物語です。登場人物それぞれがバレーを通して成長していく様が心を打たれるのですが、1年生 月島圭 がバレーにハマる瞬間を振り返ってみました。
セカンドシーズン 第8話 「幻覚ヒーロー」
月島圭の兄は全国大会に出場していた頃の烏野高校バレー部だったのですが、中学の頃エースとして活躍していましたが、高校では3年間ベンチに入ることができませんでした。弟の月島圭は兄に憧れてバレーを始めますが、そんな弟に兄は自分がベンチに入れない選手であることを話せないでいました。兄が3年生の時に最後の試合を見に行った時に、スタンドで応援する兄を目の当たりにして強いショックを受けます。
月島圭は、兄と同じ烏野高校へ進みバレー部に入っていますが、3年間頑張ってもベンチにも入れなかった兄の苦悩をみて「たかが部活のことだったのに、それを兄のすべてであるかのように思ってた。結果、兄に不要な嘘までつかせた。でも、兄もたぶん信じようとしていた。頑張ればそうなれると。でも、なったから何だ。そんなに必死になることだったのか。」と思います。バレー選手として恵まれた身長を持ちながらも、バレー部全員が全国大会に向けて一丸となって自主練習に励むなかでも、一人だけ覚めた態度でいます。
そんな月島圭をみかねて、小学生時代から月島圭と一緒にバレーをしてきた 山口忠に「最近のツッキーはかっこ悪いよ。日向はいつか小さな巨人になるかも知れない。だったら、ツッキーが日向に勝てばいいじゃないか。日向よりすごい選手だって、実力で証明すればいいじゃないか。身長も頭脳もセンスも持っているくせに、どうしてここから先は無理って線引いちゃうんだよ。」と言われてしまいます。
それに月島圭は返します。「例えば、すごく頑張って烏野で一番の選手になったとしてその後、万が一にも全国に行くことができたとしてその先は、果てしなく上には上がいる。たとえそこそこの結果を残しても絶対に一番になんかなれない!どこかで負ける!それを分かってるのに、みんなどんな原動力で動いているんだよ!」
山口忠は月島圭に掴みかかって答えます。「そんなもん、プライド以外に何がいるんだ!」
月島圭「おまえいつのまにそんなカッコイイやつになったの。おまえカッコイイよ。(少なくとも、僕がグダグダ考えてるよりずっと)でも、納得はできない。ちょっと聞いてくる。」
自主練をしている、梟谷高校エースの木兎光太郎、音駒高校主将 黒尾鉄朗に問いかけます。「聞きたいことがあるんですが、いいですか。」
「お二人のチームはそこそこの強豪ですよね。全国への出場はできたとしても、優勝は難しいですよね。僕は純粋に疑問なんですが、どうしてそんなに必死にやるんですか。バレーはたかが部活で、将来履歴書に学生時代部活を頑張りましたって書けるぐらいの価値じゃないんですか。」
梟谷高校 木兎が答えます。「月島くんさバレーボール楽しい?」月島は「いや、特には・・・」
木兎が続けます。「それはさ、へたくそだからじゃない。俺は三年で全国にも行ってるし、お前より上手い。断然上手い。」
「でも、バレーが楽しいと思うようになったのは最近だ。ストレート打ちが試合で使い物になるようになってから。もともと得意だったクロス打ちをブロックにガンガン止められて、くそ悔しくてストレート練習しまくった。んで、次の大会で同じブロック相手に全く触らせず打ち抜いたった。」
「その一本で、俺の時代来たー!くらいの気分だったね。ハハハ・・・」
「その瞬間があるかないかだ。」
「将来がどうだとか、次の試合で勝てるかどうかとか、ひとまずどうでもいい。目の前のやつぶっ潰すことと、自分の力が120%発揮された時の快感が全て。」
©古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
「まぁ、それはあくまで俺の話だし、誰にだってそれが当てはまるわけじゃねぇだろうよ。お前の言う、たかが部活てのも、俺はわかんねえけど間違っては無いと思う。ただ、もしもその瞬間が来たら、それが、お前がバレーにハマる瞬間だ。」
烏野高校 VS 白鳥沢学園高校 第4話 「月の輪」
春高バレー宮城県代表選手権大会決勝戦。牛島のスパイクに圧倒されて白鳥佐和学園高校に1セット先取された2セット目。30-29 で烏野高校のセットポイント。牛島のスパイクをトータルディフェンスでレシーブして返したボールを、白鳥沢のセッターが再び牛島へトスをあげます。
月島のモノローグ「ほんのわずか、苛立ちと焦りを含んだほころびを待ってたよ・・・」
©古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
月島圭が牛島のスパイクをブロックしたポイントで烏野高校が1セット返します。
月島圭のモノローグ「たかがブロック1本。たかが25点中の1点。たかが、部活。」
ゆっくりとこぶしを握り締めます。
梟谷高校 エース木兎の言葉の回想「もしもその瞬間がきたら、それが、お前がバレーにハマる瞬間だ・・・」
そして、月島のガッツポーズ 「シャーっ!!!!!」
©古舘春一/集英社・「ハイキュー!!」製作委員会・MBS
セカンドシーズンの8話から続くこのシーンは、私には震えるほど感動的でした。「ハイキュー!!」はこう言う感動が多いですよね。